ハゲは遺伝するって本当? 遺伝で語る薄毛の原因と対策

「薄毛や肥満は遺伝する」という説は、癌のような病気が遺伝性のため「親や祖父母の容姿も遺伝で引き継がれる」という通説に由来するのではないか、と筆者は想像します。

確かな論証は少なく「ハゲは8割で遺伝する」説や「幼少期より両親から培われた生活の習慣が薄毛に繋がっている」という説までネット上ではさまざまな見解が見受けられます。

 

「AGAは遺伝と密接な関係がある」は本当?

AGAと呼ばれる男性型脱毛症は男性ホルモンの変質によって引き起こされます。

たとえば男性ホルモンにはいくつかの種類があり、髪にとって良い働きをする男性ホルモンもあれば悪い働きをする男性ホルモンも存在します。

一概に「男性ホルモンが悪い」というわけではなく、善玉コレステロールと悪玉コレステロールのように分けて捉える必要があります。

薄毛の原因として遺伝する要因は大きく分けて2種類に分かれます。

5aリダクターゼの活発な分泌は遺伝する

「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンは、それ単体であればストレス軽減や鬱改善に力を発揮する良いホルモンになります。

しかし「5aリダクターゼ」と呼ばれる酵素と結び付くことで「ジヒドロテストロン」と呼ばれる髪にとって悪性のホルモンに変質し、薄毛を促進してしまいます。

5aリダクターゼの活発な分泌は遺伝によって決まり、分泌量の高い親の遺伝を受け継ぐようです。ジヒドロテストステロンは何も体にとって有害な物質とは言えません。

なぜなら、成長期の健全な身体をつくる上で欠かせないホルモンだからです。

自身の子供が健全に成長するうえで5aリダクターゼの分泌量の高い遺伝子を親から受け継ぐのは生物として正しいと言えます。

ただし、それによってAGAを誘発しやすくなることも事実でしょう。

アンドロゲンレセプターの感受性は遺伝する

生成されたジヒドロテストステロンは「アンドロゲンレセプター」と呼ばれる毛根の受容体に吸収されることで薄毛を促進します。

この受容体の感度も両親から遺伝しますが、X染色体に遺伝情報が詰められるためXX染色体を有する母親から遺伝される確率が高くなります。

「男性と女性でアンドロゲンレセプターの遺伝率が変わるか」と言えば、確実な論証を発見することはできませんでした。

X染色体には病原体や癌細胞などを殺滅する免疫系の遺伝情報も含まれ「女性が男性よりも高い免疫力を持っている」という説はXX染色体を有する女性に由来しています。(医学誌BMJ 2018年クリスマス号掲載内容より参考)

筆者の想像から言えば、この説が本当であればアンドロゲンレセプターの遺伝情報を持っているX染色体は男性よりも女性の方が受け継がれやすいと言えます。

つまり女性の方が遺伝率は高く、よりハゲやすくなるのではないかと考察できます。

 

「ハゲは遺伝する」説はどこまで正しい?

毛髪クリニック大手のリーブ21が2017年に実施した「頭髪悩み度調査」では薄毛を気にする男性の人数は女性と比べて2割近く多い結果が出ました。

女性の方がハゲの遺伝率が高い、ということであれば女性の方が薄毛に悩む人が多くなるのではないでしょうか?

しかし実際は男性の方が薄毛で悩む人が多く、このことからも薄毛の要因は遺伝だけではないことが分かります。

たとえば「睡眠時間が短い」「強いストレスを受ける環境下にいる」「頭髪に良くないシャンプーを使っている」など、薄毛の要因は他にもあるかもしれません。

もしも薄毛の要因が遺伝によって100%決まる、ということであればシャンプーを変え、育毛剤を試しても「遺伝子を捻じ曲げる」ということは到底不可能なことではないでしょうか?

 

遺伝は捻じ曲げられないけど、ハゲ体質は改善できる?

たとえば5aリダクターゼの分泌量を減らしたり、アンドロゲンレセプターの感度を弱めることができれば十分な薄毛の改善が期待できます。

AGAの代表的な治療として「投薬治療」が挙げられます。

もちろん投薬治療の効きも遺伝子に左右されます。

たとえば「薬剤の効きやすい体質」「効きにくい体質」というのも少なからず遺伝します。

「この薬剤は効果がある」「でもこっちの薬剤は効果が薄い」など、人によって効果的な投薬治療も変わってくることかと思います。

 

遺伝子検査はAGAの発症と治療の仕方が分かる

何はともあれ、もしもご自身の家系に薄毛の方がいてご自身も薄毛に悩まされているようであれば、遺伝子診療科で遺伝子検査の受診をオススメします。

大学病院や医療研究センターに限らず、AGAクリニックのような小さな診療所でも遺伝子検査を受けることができます。

たとえば「将来、AGAを発症するのか」「AGAを発症しても投薬による治療が可能か」「植毛による治療は可能か」など、具体的な診断を受けることができます。

別記事「薄毛の悩みは病院とクリニックどちらで診断してもらうべき?」では病院とクリニックで診断内容や治療の内容はどの程度違うのか、ということにフォーカスしております。

ぜひ参考にしてみてください。

 

まとめ

薄毛と遺伝の関係は密接にはありますが、ハゲているからといって全ての原因が遺伝にあるというわけでもありません。

たとえば、生活習慣やストレスが原因で薄毛を進行してしまう人もいるでしょう。

別記事「4人に1人が抜け毛に悩んでいる? 男性の薄毛の原因と対策」ではタバコを吸い、お酒を飲むような男性の薄毛にフォーカスしております。

たとえば本記事でも取り上げました「ジヒドロテストステロン」は運動によって汗と一緒に体外へ排出されることはご存知でしょうか?

男性はもちろん女性にも有効な対策になりますので、合わせてご参考ください。

(参考文献)

日本臨床医学発毛協会ホームページ・掲載 AGAとは?

山田  久陽ら・著 男性型脱毛症治療薬の研究動向

辻 敦哉・著 世界一簡単な髪が増える方法

医学誌BMJ・掲載 Man Flu’ For Real, or Do Guys Really Get Sicker Than Women Do?

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